学習・生活・コミュニケーションに困難がある人のための相談室
子育てに役立つ話〜社会編No.5

子育てに役立つ話〜社会編No.5

こんにちは。梅雨に入り蒸し暑い日々が続いていますね。

研究室の朝会の話題をみなさんと共有します。

少し前の映画になりますが、筋ジストロフィーの鹿野 靖明さんを描いた映画「こんな夜更けにバナナかよ」をご覧になった方はいらっしゃいますか。

幼い頃から難病の筋ジストロフィーを患い、34歳になる今では自力で動かせるのは首と手だけ。24時間、誰かの助けを借りないと命の危険もある。そんな状況にありながら大勢のボランティアに囲まれ、ちょっと変わった自立生活を送っていた鹿野靖明さんの生涯が映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(主演・大泉洋)になったものです。わがままで、図々しくて、惚れっぽくて、おしゃべりで……深夜2時に突然「バナナ食べたい」と言い出す。

貴子は、入浴介助で女性スタッフに囲まれる鹿野さんを「シカノ~。今日はハーレムみたいだね」と呼び捨てでちゃかす。介護の教科書では禁じ手とされるような行為だが、貴子役のイメージの源泉となったのは、鹿野さんが長年もっとも信頼を置いていた女性。

鹿野さんは、「どんなに重い障害があっても地域で普通に生活したい」という意志を生涯貫いた人です。1959(昭和34)年12月、札幌市に生まれ、11歳(小学校6年)のとき、進行性筋ジストロフィーという診断を受けます。北海道八雲町にある国立療養所八雲病院(現・国立病院機構八雲病院)の筋ジス病棟に入所したが、家族から遠く離れ、病気の進行がはやい友人たちが次々と亡くなっていく過酷な環境で少年時代を過ごされました。その後23歳のとき、障害者施設を飛び出して自立生活を開始しました。しかし、当時は障害者のための在宅福祉制度など皆無に等しい時代であったことから、自ら募集したボランティアたちに、自ら介助の仕方を教えながら、約20年間にわたる綱渡りのような自立生活を続けることになります。

人に迷惑をかけない生き方とはなんでしょう?

中邑研究室では、八雲病院に入所している方に研究協力員として働いていただいております。彼らの強い意志が私たちの力になっています。